突発性難聴 闘病記 一覧

突発性難聴 発症2日後/通院初日

 2005年4月2日(土曜日)

いったん家に帰って夫と耳鼻科を探すことに。
ネットでも情報を集め、自転車で15分のところに評判のいい耳鼻科があることが判明した。

この時から耳鳴りがますますひどくなり、めまいのせいで歩くのがやっとの状態だった。

今度の病院は、1時間程度で診察室に通された。

早速先生に、昨日からの耳の異常を訴える。

まず、喉を耳をピンセットのようなものでパカッと開いて診察。

「腫れたり膿んだりはしてませんね、特に異常はありません、キレイなものです。
では、聴力を調べるのであちらへどうぞ」

聴力検査の部屋に通され、ヘッドホンをつけて音が聞こえるか聞こえないかの検査を受けた。

検査はおよそ10分程度だっただろうか。
音が聞こえている間は手元のボタンを押し続け、聞こえなくなったらボタンから手を離すという簡単な検査だった。

検査室から出ると、先生は眉根を寄せて深刻そうな表情だった。

「難聴だと思われます」

.........へっ?

検査の結果をグラフで見せてもらうと、右耳のグラフと左耳のグラフがまったく異なった曲線を描いている。
ちょうど数センチ以上離れた曲線になっているのです。

あの、難聴って......?
現在、左耳について言うと一定の音域の音がほとんど聞こえていない状態です。
突発性難聴だと思われます。
40代~50代の方に多いのですが、最近30代の患者さんも増えているようです。
ある日突然発症して、方耳の聞こえが非常に悪くなるのが特徴です。
最悪の場合、片方の聴力を失うケースも珍しくありません。

......原因とかあるんですか?
詳しい原因は不明です。
ストレスなどが原因になっていることもあるようですが......
まだハッキリと分かっていません。

あの......治るんでしょうか?
検査の結果を見る限り、五分五分としか言えません。
ただ、この病気は早期治療で治る可能性がぐんと高くなる病気なんですね。
およそ1週間以内に治療を始めた場合には、よくなる可能性が高いようです。
逆に1ヶ月以上放置してしまった場合は、ほとんどもとの状態には戻らないと言われます。
......高齢の患者さんの場合は、聴力を失ったまま症状が固定されるケースもかなりあります。
wakabaさんの場合は発症して2日目に受診してくれて、しかも若い、良くなる可能性は大いにあると思います。
ただ、めまいや耳鳴りなどの後遺症は残るかもしれません。

今後、どういった治療になるんでしょうか?
とりあえず2日分の薬をお出しします。
時間通りにきっちり飲んで下さい。
今日、明日と薬を飲んで、月曜日の朝一番に来院してください。
状況次第では大学病院に紹介状を書きますので、そこへ入院して治療に専念していただきます。

だ、大学病院ですか......
いいですね、月曜日の朝一番に必ず来てくださいね。

......わかりました

頭が真っ白でした。
まさか聴力を失う可能性があるなんて。

ヨロヨロになりながら何とか家に帰り着き、夫の顔を見た瞬間、思いがけず涙がポロポロとこぼれ落ちました。

突発性難聴 発症2日後/通院初日

 2005年4月2日(土曜日)

再び耳の不快感で目が覚める。

......耳鳴りがする。
とりあえず「あー」と声を出してみる。

やはり自分の声が妙に反響して、不快に聞こえる。
水の中で声を発しているような感じでしょうか。

試しにテレビをつけてみる。

......ウルサイ(というか、頭に響いて気持ち悪い、あまりよく聞こえないんだけど)

このときの私の自覚症状は、

アイコン08 耳にお湯が詰まった感じ

アイコン08 音の聞こえは昨日より悪くなっている

アイコン08 音が頭に響いてとにかくツライ

アイコン08 自分の声が頭の中で反響する

アイコン08 軽いめまい

アイコン08 軽い耳鳴り(時々急に強くなる)

病院に行った方がいいのかもしれない......
一通り家事を片付けていると、夫が起きてきたので、最寄の耳鼻科に行くと伝え、朝の10時に家を出た。

外に出ると、色々な音が襲い掛かってくるような感覚に。
とにかく響く、ウルサイ、頭が痛い、めまいもだんだんひどくなってきた。
涙目になりながら耳鼻科に駆け込むと、6時間待ちとのこと。

......あぁ、花粉症シーズンなのね(涙)

ダメもとで泣きながら症状を訴えたものの、「6時間後に来てください」の一点張り。
仕方ない、他の耳鼻科を探すか。

アイコン02 当時を振り返って
後で分かったことですが、私が最初に訪れた耳鼻科はあまり評判が良くなかったみたい。
突発性難聴はあまりメジャーな病気ではないので、誤診も結構あるようです。
今思うと、ここの耳鼻科に早々に見切りをつけて良かったのかもしれません。

突発性難聴 発症当日

 2005年4月2日(土曜日)

本当に突然のことでした。

ある朝、耳が詰まったような不快な症状で目が覚めました。
注意してみると、耳の聞こえがやや悪い気が。
特に風邪を引いていたというわけではなく、前日まではすこぶる健康な日常生活を送っていました。

朝起きたときの自覚症状はこんな感じでした。
アイコン08 耳に水が詰まったような感じがする

アイコン08 なんとなく聞こえが悪い

アイコン08 自分の声が耳の奥で反響して気持ちが悪い

アイコン08 テレビの音がやけに耳障りに響く

中耳炎かもしれないな、今週ちょっと睡眠不足だったし......

そう思いながらも、この日の夜は友人と約束があったため、わざわざ病院に行こうとは考えませんでした。

中耳炎なら、ちょっと耳鼻科に行って切開して膿を抜いてもらえば治るよね。
子供の頃、そうやって治療したことがあったので、そんな風に軽く考えていました。

夕方ごろ、友人達と楽しく食事。
その帰りの地下鉄で、急にめまいに襲われました。

耳鳴りが一瞬、キーンとひどくなり、地下鉄の音が頭の中でガンガン反響して吐き気までしてきたんです。
そう言えば今日一日、耳の調子がずっとおかしかった......

単なる中耳炎じゃないかも?
嫌な予感が脳裏をよぎったのはこの時でした。

帰宅後、めまいは止まっていましたが、相変わらず耳鳴りと耳に物が詰まった感じは治まりません。

テレビの音が反響してうるさく聞こえ、日常の生活音(洗ったお皿を片付けるカチャカチャするような音や、ドアを開け閉めするような些細な音)が頭に響きます。

何より気持ち悪いのは自分の声です。
幾重にも耳の内側で反響するような、とても耳障りです。

疲れているのかもしれない、
一晩寝たらきっとよくなっているに違いない......
そう思ってその日は眠ってしまいました。

はじめに

私が突発性難聴をわずらった時のプロフィールを紹介します。

年齢などの条件により、治療の効果が異なるので、参考になれば幸いです。

名前
wakaba
性別

住まい
東京23区
年齢
29歳(発症当時)

この病気は40~50代の発症が多いといわれていますが、私は当時29歳でした。
最近は30代の患者さんも増えているとか。

病歴
一番重い病気でインフルエンザ程度、健康だけが取り柄でした。
発症した時の状況
専業主婦(時々派遣で勤務)だったので、精神的にストレスのある生活ではありませんでした。

ただ、不規則な勤務の夫に100%生活を合わせていたので、肉体的には負担がかかっていました。
飲酒は1か月に1回程度、喫煙はしません。

お願い
この闘病記は、闘病中に書いたものを、ほとんどそのまま掲載しています。

(読みやすくするために、多少語尾などを手直ししているくらいです)
そのため、病気からくる不安などが前面に出ていて、なんというかこう......ちょっと感情的な部分があったりします。
......正直、今読み返すとかなり恥ずかしい文章ですたらっ

でも、そんな不安な心情面も含めて、今病気を患っている方の参考になればと思っているので、読み苦しい部分はどうぞご容赦くださいませ。

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プロフィール

wakaba
29歳の春に突発性難聴と診断されました。
一時期は左耳がほとんど聞こえない状態でしたが、なんとか日常生活に支障のないレベルまで回復できました。
当時の治療の様子や、現在の症状などを中心に記録していきます。
発症してから十数年経ち、今は40代です。

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