突発性難聴の認知度

私が突発性難聴になったのは、今から14年近く前のことでした。

当時、この病気はあまり知られておらず、もちろん私も全く知らず、まだ20代なのにとんでもない病気になってしまったと震えあがったものです。
3日以内に治療しないと片耳が聞こえなくなるなんて、今考えても恐ろしすぎます。

そして治療を開始して(一応は)治癒までこぎつけて、気持ちが幾分落ち着いたとき、この病気のことをもっと知ってほしいと強く思いました。
少しでも早い治療が明暗を分けるのだから、とりあえずこの病気を知ってもらうことが、後遺症に苦しむ人を減らす一番の方法だと思ったのです。

そこで立ち上げたのがこのサイトでした。

当時はスマホなんてものはなく、家庭用のブロードバンド回線(←こういう言い方ももうしないですよね)が普及し始めた時期でした。
ブログが流行り始めたのも、ちょうどこの時期じゃなかったかな?

個人が情報を発信する手段があまりなく、少々ハードルが高い時代でした。
私もHTMLとかCSSとか、かなり勉強しましたもの。

今はスマートフォンのおかげで、個人が簡単に情報を発信できる時代になりました。
もちろんSNSは良い面だけではなく悪い面もたくさんあるけど、少なくとも突発性難聴の認知度は飛躍的に上がったんじゃないかと思います。

このサイトも、10年位前だと「突発性難聴」でググると2番目くらいにヒットしてたのに、今は「どっかに行っちゃった?」ってな感じに埋もれてますw
これでよかった、と思う反面、ちょっと寂しいかも。

先日、突発性難聴関連の大量のリツイートを見ていたら、ふとそんなことを思ってしましいました。

このサイトも役割を終えかけてるし、思い切って私の趣味サイトにでもしようかな。
100均で買ったはいいが、ひたすら巨大化しているサボテン観察日記とかどうだろうか。

Comments [6]

No.2

wakaba 様

 いろいろ取り紛れて、このサイトのことを半ば忘れていました。ごめんなさい。

 突発性難聴の診断基準の一つに「片耳性」「再発しない」とあるのは有名なことですが、なんと一昨年六月、再発してしまいました。「突発」というほど突然ではなかったのですが、耳に違和感を感じる、詰まる、音程が狂う、方向がつかめない、といった症状が出て、外の音が「ぼわんぼわん」とした感じになるまで、1週間もかかりませんでした。

 即刻、耳鼻咽喉科に行ったら、聴力検査。1回めの初診のお医者さんでしたが、「突発性難聴です」とのこと。またまた悪いことに金曜日の夕方だったので、ステロイド剤の飲み薬が処方され、すぐ飲み始めました。

 しかし、月曜日に改めて検査したら、ぎりぎりなんとか金曜日の状態を維持しているだけ、ということで、さっそく転院となりました。

 程度は、と言うと、前回より軽く、60dBちょっとでしたが、悪いことにボイスレンジを中心にやられたため、会話に難儀するようになりました。

 1週間ばかりステロイドの点滴を受けて、若干の改善が見られましたが、決定的な回復には至らないまま退院して、例のマズい薬・イソバイドなどをかかりつけで処方してもらいました。

 しかし、前回と違って、回復ははかばかしくなく、左耳は低音~中音にかけてゴウゴウといった感じの耳鳴り、右耳はキーンといった高音の耳鳴りで、頭の中をかき回されるようです。

 おまけに、入院中あたりから自分の声が頭に響き渡って苦痛、どころか自分が何をしゃべっているのかも判別しづらい状態になってしまい、このまま一生続くと思ったら、もう絶望的です。好きな音楽も聴けないし……。実際、高音でピアノが転がるような音、同じく弦楽器が高音で奏でるメロディがゆがみ、特定の箇所でギーンと耳の中に響き渡るありさまです。

 高気圧酸素療法、内耳にステロイドを直接注入する療法も検討しましたが、どれも決め手になりづらく、諦めるほかはない状況でした。

 致し方なく、別のお医者さんへ……ドクター・ショッピングまがいのことはしたくないのですが、別のお医者さんでも匙を投げられたら今度こそ諦めよう、と覚悟していました。

 別のお医者さんは、とても流行っていて、特に子どもの難聴に強いことで、いつもメチャクチャに混んでいることと、馬力の凄まじさは地元の開業医の間でも「著名」という方です。

 ところが、聴力検査の後、診察する内に、診察台の引き出しから一枚のコピー用紙を取り出して、マーカーを引いてあるところを指して「こんな症状がありませんか」と訊ねられるのですが、いちいち全部当てはまります。

「耳管開放症ですね」という診察。突発性難聴との因果関係はよくわかりませんが、少なくとも直面している状況はまさしくそれ。しかも耳の中に突っ込んだスコープでは、唾を飲み込む度に鼓膜のあたりがハッキリと動く状態でしたから、それでは、ということで、まず漢方薬の処方だったのです。

 怪訝そうな顔をしている私に「漢方もシャープな効き方をするのがあるのですよ」とおっしゃる。処方されたのは「加味帰脾湯」で、相変わらず半信半疑ながら飲むことにしましたが「耳管開放症も、突発性難聴の後に来る激しい耳鳴りも、音響療法なり補聴器を使うなり、攻め方はいろいろありますから、一緒にやってみましょう!」という力強い言葉に励まされました(なるほど、子どもの難聴や耳の病気で評判が良いはずです)。「耳鳴りは治りませんから」とあっさり言われるのとでは天と地ほど違いますよね。

 加味帰脾湯は、なるほどシャープに効いて、程なく服用しなくても良くなりましたが、耳鳴りは続くので「じゃあ、TRTをやってみましょう」ということで、さっそく補聴器の貸し出しを受けました。

 もちろん、そんなに劇的に効くわけではありません。それに、メーカーによって音のクセがあって、相性も結構あります。したがって、当初は貸し出しで試してみて、相性と効き目の具合を見ながらやっていくという方針、しかも数年がかりとのことでしたが、実際、左耳から聞こえていた低音~中音の耳鳴りが徐々に軽減して、頭の中に響き渡る状況がすっかり軽くなってきました。

 もっとも、いよいよ本格的にTRTにかかろうとすると、補聴器が高い! 実際、とある論文によると、著効を示したお年寄りに勧めたが、経済的な問題で続けられないので返納されてしまった、と症例を報告したお医者さんが悔しさにあふれた論文を書いていました。

 なんでも、WHOは40dBに達したら、補聴器で介入すべきことを推奨していますが、現在、日本では、中等度以上で医師が必要と判断しない限り、還付申告で戻っては来ますが、年明けまで待たなければなりません。「国際標準に合わせて、もっと積極的に医療介入ができれば、補聴器の値段もこなれて、多くの人のQOLが改善するんですけどね」とは言語聴覚療法士さんも口を揃えておっしゃっていました。

 子どもの人工内耳がやっと助成対象になった状態では、大人は後回し、ということなんでしょうが、やはり釈然としません。それに、お医者さんが「聴覚障害は『見えない障害』ですが、子どもの場合、発達障害・学習障害にもつながりかねない重大な問題を起こします」とのこと。

 そういえば、名作「映画 聲の形」が克明に描いていましたね……。

 清水の舞台から飛び降りる思いでデジタル補聴器を購入して約1年、つい先日、半年ごとの定期点検で良い、という状態になりました。再発した突発性難聴で落ちてしまった左耳の聴力は、右に比べて相変わらず10dBくらい低く、会話、特に騒がしい所の会話には難渋しますが、こればかりは補聴器も最も苦手とするところだそうです。

 右耳については、加齢の問題もあるから、ある程度落ちていくのは仕方ないが、今の状態は80歳代(!)に匹敵するから、やっぱり医療介入した方がよい、とTRTを続けています。なるほどストレスに睡眠不足が続くと、耳鳴りが顔を出してきますが、調子のいい日は補聴器なしで十分やっていける状態まで戻してきました(昨日・今日と少々耳鳴りが……)。

 もっと安価について誰でも耳鼻科に行けばTRTの恩恵を被ることができればいいのですけどね……おっと、その前に突発性難聴の原因が究明されて、劇的な効果をもつ治療法が開発される方が先ですね。

 長文失礼。

No.4

こんにちは。もう4年ほど前になりますが、ここにコメントさせてもらってました。今でも時々覗いています。 日経新聞の記事ではかなり驚きました。 突発性難聴と言われてから1週間後メニエールと言われて色んな薬を飲みましたが、結局は確定されず何が良くて治ったのか…セカンドオピニオンも考えるべきだったと反省もあります。
話は逸れましたが、wakabaさんのブログを見て、またコメントで交流もでき、励まされた1人です。これからも、趣味のことでも、無理なく続けていただけたら嬉しいです。
wakabaさんは最近体調は落ち着いているのでしょうか。私は冬が苦手なのでつらい季節です。あまりストレスや疲れを溜めないようにしたいです。難しいけど…

No.6

明けましておめでとうございます。私も過去に突発性難聴を発症し、自分で色々調べるうちにこちらに辿り着いた一人です。突発性難聴を発症した人にしか分からない事も多々掲載されており、勇気づけられた方や参考にされた方は多いのではないでしょうか。私はこちらのサイトをブックマークしていつでも拝見出来るようにしてますよ〜!勇気づけられた一人として無理せずに続けて頂けたら幸いです。

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プロフィール

wakaba
29歳の春に突発性難聴と診断されました。
一時期は左耳がほとんど聞こえない状態でしたが、なんとか日常生活に支障のないレベルまで回復できました。
当時の治療の様子や、現在の症状などを中心に記録していきます。
発症してから十数年経ち、今は40代です。

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