耳鳴りに慣れる治療(TRT療法)

NHK教育テレビ(今はEテレって言うらしいですね)「きょうの健康」で耳のトラブル特集が放送されました。

実は再放送も今日終わってしまって、もう少し早く記事にできればよかったと後悔しています。すみません。
しばらく家にいなかったのでテレビ欄をチェックできなくて汗1
放送は全3回だったらしいけど、私も2回目は見られませんでした。

NHKの公式サイトには放送の内容が大まかにUPされています。

2012年2月6日放送 耳鳴りは早めに対処
2012年2月7日放送 日常生活を守る難聴治療
2012年2月9日放送 自分に合った補聴器選び

突発性難聴で特に辛い症状として耳鳴りがあります。
発症から治療中はもちろん、治癒後も大なり小なり耳鳴りに悩まされる方は多いはず。

私も治癒から7年以上経ちますが、体調が良くないときは大きな耳鳴りがします。
放送第1回目(耳鳴りは早めに対処)では「耳鳴りの治療」が紹介されていました。

TVの内容を要約すると

そもそも耳鳴りは多かれ少なかれ誰もが経験するもので、特に治療する必要はない。
(耳鳴りが何らかの病気によって引き起こされている場合は別)
 矢印
ただ、耳鳴りが原因でストレスを感じ、そのストレスがより耳鳴りを強く感じる原因になる場合は何らかの治療が必要。
 矢印
治療はまず「薬物療法(代謝改善薬・ビタミン剤・抗うつ薬・漢方薬など)」や「カウンセリング」。
(耳鳴りはメンタル面との結びつきが強いため、耳に直接働きかける薬の他に抗うつ薬やカウンセリングが有効なのかな。)
 矢印
また、比較的新しい治療法としてTRTと呼ばれる治療法もある。
TRTは1980年代にアメリカで始まった治療法で、日本では2002年から取り入れられている。
早い話が「耳鳴りを止めるんじゃなくて、耳鳴りに慣れる治療」
小型補聴器のような器具を耳に装着し、耳鳴りに似た音を発生させて音に慣れさせようとするもの。
1日に6時間程度装着し、1~2年くらいかけて耳鳴りに慣れさせる。
7割近い人が「耳鳴りが気にならなくなった」と評価したという論文がある。

耳鳴りの治療に関して大雑把に内容をまとめるとこんな感じです。

健康な人も耳鳴りがすることはあるので、耳鳴り自体をなくすことは難しいと思います。
だったら耳鳴りをそのまま受け止めて慣れさせ、精神的に楽にすればいいんじゃない?という発想みたいです。

生活する上で、常に何らかの音はしてますよね。
川沿いに住んでいれば24時間水音がするし、大きな道路が近くにあれば車の音がうるさいでしょう。
そういった生活音は最初は苦痛でも、確かにある程度は慣れますね。

寝ている夫のイビキも、新婚当初は「首絞めたろか顔2」と思っていたけど、今はあまり気にならないし。

ただ疑問に思うのは、耳鳴りは外から聞こえる音とは違って「頭の中で聞こえる音」だということ
毎回音の種類も違うし、ほとんどの場合はかなり耳障りなものですよね。
そういった音を生活音と一緒に考えるのは少々乱暴な気もします。

ただ、私みたいに時々強い耳鳴りがする......という軽いレベルじゃなくて、常に生活に差し支えるような強い耳鳴りを感じている場合は「半強制的に慣れさせる」というのはアリなのかな、とも思います。

いずれにせよ、2002年から始まった新しい治療法だからまだまだ未知の部分が多いでしょう。
実際にこの治療を行っている病院や患者さんはまだ少ないんじゃないかな。
「TRT 治療」「TRT 耳」などの語句で検索しても、実際に治療を行う病院のサイトの他に、なにやらうさんくさいサイトが多数ヒットするし汗1

実際にTRT療法を受けている方のお話を伺ってみたいものです。

Comments [16]

No.2

父が実は突発性難聴を5年から10年前に発症して、1週間放置してから、病院に行った結果、治りませんでした。24時間飛行機が飛ぶような音が右耳からしているそうで、かなりのストレスらしいです。そのこともあって、私が突発性難聴を発症したときは、発症後慌てていた時にとにかく安静にして耳の安静(つまり極力音を聞かない)を指示され耳鼻科の薬をひたすら真面目に忘れずに飲んでいました。朝起きて気づいてすぐ午前中に耳鼻科に行ったのが、良かったです。後日、耳鳴りはあるものの、聴力が正常値になってから、wakabaさんが書かれているNHKの放送を録画したブルーレイディスクを父が私に送ってくれました。観て納得しました。皆さんも是非再放送の機会か、NHKオンデマンドでご覧になられたらよろしいと思います。

No.3

カリスさま
耳鳴りが良くなっているようで何よりです。
寒い日が続きますが、体に気を付けてよいお年を!

No.4

wakabaさん、カリスです。こんにちは。
カリスも突発性難聴になっていたのかもしれません。
普段、あまり高音域のオトは聴かないから、気づかなかったのかもしれません。
そしてある日、耳鳴があることに気づいてしまいました。
でもまたある日、耳鳴を忘れてしまう日もくると思います。

No.5

カリスさま
Blog拝見しました、返信を記事にしていただいて恐縮です。
耳鳴りから真正面からぶつかっていくのは精神的にかなりキツイと思います、頭が下がる思いです。

TRT療法をはじめとした新しい治療法が今まで以上に広く認識されて、一人でも多くの患者さんが不快な症状から解放されることを祈っています。
そのためにも情報発信が大切なのかな、と思うので私も細々とBlogを更新していきますね。

No.6

wakabaさん、カリスです。こんばんは。
カリスのブログにコメント、ありがとうございます!
wakabaさんのコメントへのお返事、
本日の記事にさせていただきました。
よろしければ、ご覧願います。
ありがとうございました。

No.7

カリスさま
こんにちは、コメントありがとうございます。

耳鳴りをかわすのは上手くなっているかもしれません。
この前の耳鳴りは、ちょっと猫の鳴き声に似ていました。
どうせなら毛皮を触りたい匂いを嗅ぎたい……無理ならせめて画像でも……と思いながら猫画像を検索したりして、我ながらアホだなあと思っていました。
家族の帰りが遅い夜は暇です。

元々の性格が大雑把なのが幸いしているのかもしれませんね。
かわし続けていればそのうち消えてくれるんでしょうか、そうなると嬉しいのですが。

No.8

wakabaさん、カリスです。こんにちは。
wakabaさんのブログは、とても励みになりますね!
カリスのTRT療法の主治医によりますと
耳鳴消失のプロセスとして…

第一段階:耳鳴をかわすことができる。
wakabaさんのように、耳鳴をかわすことが
うまくなられた状態のことを指しています。

第二段階:耳鳴が気にならなくなる。
耳鳴が苦痛が軽減する。
いまwakabaさんは、この状態でしょうか。

第三段階:気が付けば耳鳴が消失している。
主治医は耳鼻科の医師です。
耳鼻科の医師から、耳鳴が消失するとききました。
カリスは主治医についていきます。
カリスはまだまだ耳鳴とドンパチしている状態ですので、
なかなか「かわす」ということができません。
第一段階にも至っていないです。
でも耳鳴が軽いひとときが現れるようになってきたのも
事実です。TRT療法の効果でしょうか。
wakabaさん、一度でいいので、
カリスのブログに登場願います。

No.9

カリスさま
私の耳鳴りですが、常に聞こえているわけではなくて、疲れているときや体調が思わしくない時に断続的に聞こえます。

時間は数分の時もあれば数十分~小一時間の時もあり、かなりバラバラです。
耳鳴りから気をそらすのが上手になっているので一日中悩まされるということはありません。
不快は不快だけど、まあ適当に流せるレベルでしょうか。

時間帯は夕方~夜にかけてが一番多いです。
若いころから朝型人間で、早起きは全く苦にならないけど夜更かしは負担に感じるタイプです。(できれば9時に寝て5時ごろ起きたい)
だから夜に耳鳴りタイムを迎えることが多いのかと。

耳鳴りの音はバリエーションに富んでいますが、多いのは
・「ピー」「キー」という甲高い音
・「フゥイン フゥイン フゥイン……」という緩急の付いた音
でしょうか。
私の場合「ジー」「ザ―」というノイジーな音はあまり聞こえません。
音量もそれなりに気にしないでいられるレベルです。

なお、頭痛持ちの肩こり持ち、おまけに顎関節症歴25年なので、突発性難聴以外にも色々問題があるような気がします。

今はちょっと風邪気味なので、「シー」というそれほど音の高くない耳鳴りを感じています。
音量はそれほどでもないので、「何か鳴ってるな」とやり過ごせるレベルです。

良くも悪くも耳鳴りに慣れてしまったので参考になるかどうか。

No.10

wakaba様、カリスです。こんにちは。
wakabaさんの耳鳴りは、発症時と比べていかがでしょうか。
今のwakabaさんの耳鳴りは、どんな耳鳴りですか。
すべての記事を読んでいなくて申し訳ございません。

No.11

カリス様
はじめまして、コメントありがとうございます。
返信が遅れて申し訳ありませんでした。

カリス様のブログを拝見しました。
私が見た番組ではTRT療法のアウトラインだけを大雑把になぞっていただけだったので、実際に治療をされている様子はとても参考になりました。

耳鳴りって、血液検査の数値みたいに明確な基準があるわけではないから厄介なんですよね。
あまり周囲の理解も得られないし……仕方ないかな、とは思うけど。

それにしても、2年を基準に治療を行うのはかなりシビアに感じました。
発生させるノイズ量(耳鳴りの80%)も自分で管理するんですよね?
(耳鳴りの正確な音量なんて自分にしか分からないわけですし……)

そんなに長期にわたって取り組まなきゃいけないんですね、せめて自動的にノイズの量と種類を決めてくれるような機械があれば、もう少し取っつきやすくなると思うのですが、難しいんでしょうね。
まだ新しい治療法ですから、もっと改善されることを願うばかりです。

まだ10ヶ月ですから、あまり焦らずに治療なさってくださいね。

私の場合はイライラと睡眠不足が続くとひどい耳鳴りがするので、万事適当に物事を流す癖がついてしまいました。
最近ちょっと反省気味です。

No.12

wakaba様、カリスと申します。はじめまして。
2年前に高音の耳鳴を発症しました。
TRT療法を始めて10か月になります。
改善効果は まだ感じられていません。
耳鳴り闘病記のブログ、やっています。
よろしければ、ご覧願います。

No.13

Tacchinさま
コメントありがとうございます。

そうなんですよね、この病気ってまだ原因もハッキリしなくて、治療する側も手探り状態なのかな?というのを私も感じていました。

だから「片耳のみ、再発なし」というのも完全に信じきれなくて……
時々、極度に疲れた時(年に数回)閉塞感を感じることがありますが、発症した左耳ではなくて右耳に閉塞感を感じることもありますし。
耳の調子に注意を払って、上手く付き合っていかなくちゃいけませんね。

ウィルスが原因なら「とつなんウィルス」みたいなものがサクッと発見されたりしないんでしょうかね。
そうしたら有効な薬も作れるかもしれないのに。
何十年か後には病気の原因と治療法が確立されるといいのですが。

治療はやはり入院するのが一番だと思います。
仕事や家庭があると1週間丸ごと入院するというのは難しいかもしれないけど、今後の一生を左右するといっても過言じゃないですもんね。
点滴などの大掛かりな治療ができるのはもちろん、安心感が違いますし。

今思うと、的確な治療に加えて「精神の安定」が良く効く薬であると感じます。
聴力は人間の五感の一つで、それが無くなるかもしれないということはまさしく「恐怖」以外の何物でもありません。
そんな中でストレスをためないようにするのは本当に難しいことです。

全力で治療に専念できる環境に身を置けば多少は気持ちが落ち着きますから、今後治療を始める方には信頼できる病院でじっくり治療を受けて欲しいと思います。

ちょっと余談です。
TacchinさんはWOWOWですか。やっぱり民放地上波からは離れちゃいますよね。
私は震災以降、時代に逆行してラジオを聞きはじめました。
10代の頃は良く聞いていたのですが、大人になってからは全く聞かなくなっていたので新鮮です。

No.14

wakaba 様

 丁重なコメント、ありがとうございました。また、孔雀様の治療体験記も参考になりました。

 まずは余談から。私も最近、TVはほとんど録画したWOWOWで、民放地上波は腹立つことが多いのでほとんど見ません。あれはテンションなんてもんじゃなくって、ただのバカ騒ぎ・空騒ぎにすぎません。電気と電波資源の無駄遣いだから、即刻やめてほしいものです、それに全部、東京→地方の一方通行ばかりで、この点ではお隣の中国のテレビより劣っています(中国では、チベット自治区の放送局の番組を北の端の黒竜江省でも見られる、その逆もあり、というのが「あたりまえ」なのです。だから、地上波だけでも50チャンネル以上あります。決して中央電視台の独占なんかじゃありません)。ああいう「民放」の即刻廃止を公約する人に次の選挙では投票しましょう(絶対いないと思うから、棄権)。

 さて、本題ですが、突発性難聴は、まだまだわからないところが多いらしく、研究途上の病気のようです。したがって、治療法も「やってみたら、これはよさげだった」とまだまだ手探りのようです。

 ただ、大きく分けて内耳の血行障害説とある種のウィルス感染説とがあり、前者を支持する医家は血行改善に力を入れ、後者を支持する医家はステロイド投与に踏み切る、ということのようです。

 実は、義父が十数年前に罹患したとき(本当に、○時○○分、とはっきり言えるほどぱたっと聞こえなくなった、というんですね)は、前者が有力な説だったため、入院して毎日のように血行改善剤の点滴を受けたそうですが、あいにくと聴力もリクルートメント効果も戻らず、補聴器を付けてもかえって不快なことも少なくない、とそれ以来すっかり元気をなくしてしまったのが気の毒でした。

 現在は、ムンプス(おたふくかぜ)難聴と類似の性質が多いこと、片耳性で再発しないという特徴から、まだ特定はされていないものの、ある種のウィルス感染説が有力で、そこでステロイド投与を第一選択として、血行改善を補助療法とするのが標準とされているようです。

 とはいうものの、ストレスが誘因となることまでは否定されておらず、むしろウィルス感染を勢いづかせる可能性もあり、ということで、入院させて安静を保たせる、という意味もあるのでしょう。

 もっとも、一般に突発性難聴は片耳性で、両耳性ではないといいますが、私の場合も左からスタートして、左が全域高度難聴、右も全域中等度(の悪い方の)難聴というところまでいってたわけですから、両耳性の疑いあり、というわけで医師は真っ青な顔になっていました。こうなると、再発を繰り返しつつ予後不良(といっても生命予後ではなく、聴力の予後)の特発性両耳性難聴という別の病気も疑わなければならず、迷うことなくステロイド投与に踏み切ったようでした。それに、皆さんの体験を拝見しても、実にさまざま、一筋縄ではいかない病気なんだなぁ、と感じた次第です。

 もう一つ、入院して点滴する利点は、留置針といって、一旦、針をさしたならば、その部分を保護しながら刺しっぱなしで数日間ほったらかし(だから「留置」針というそうですが)にしておいて、点滴の管だけをつなぐ、という手法が使えるので、何度も何度も痛い思いをしなくても済む、というところもあるようです。ただし、ステロイド剤の超大量投与は全身管理が必須ですから、外出などには非常な制限が付きます。そこで、内耳に直接ステロイドを投与することで、量を減らす試みも行われているようですが、これはまだ難しい点が多いらしく、どこでも行えるわけではないようです。

 それに、酸素吸入も、施設によっては高圧酸素吸入を行うところもあるそうで、これは内耳の血行改善を劇的にはかる、という意図からのようです。

 なんにせよ、私の場合は、最悪の場合、両耳性の別の難病の可能性が否定できなかったこと、仮に一般的な(?)突発性難聴としても、放っておけば重度の聴力障害に陥ることは確実だったために、選択の余地がなかったんでしょう。ま、結果として聴力が元に戻ったわけですから、患者としては万々歳ではあったわけですが、ここにコメントするのであれば、「実は、それでも聴力の戻りが芳しくなく、別の施設に転院を進められて、○○療法を試し……」という方が有益だったかも知れません(←「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の典型ですね、こりゃ)。

 私の場合、発症前の激烈なストレスも誘因だった可能性を否定できず、個室が取れたのを幸い、のんべんだらりと8日間を気ままに過ごしました(あれくらい気ままに過ごしたのは、そうそう記憶にないくらいです)。おそらく、それもプラスに作用したのでしょう。これが仮に通院だったら、あれほど劇的に回復できたかどうか、ちょっとわかりません。

 ほんと、調べれば調べるほどわからないところの多い病気で、決して稀でもない病気ですが、幸いなことに、聴力を取り戻すことに成功する割合はじりっじりっとながら、少しずつ上昇しつつあるようなのが救いでしょうか。

 まずは侮らず、すぐお医者さんに出かけること(お医者さんの姿勢に不信を感じたら、迷わず別のお医者さんに診察してもらうのも「患者の権利」の一つですし、健康保険だってそれを禁じてはいません)、そして信頼できる医師の診察を受けたら、いたずらに病気を恐れず、その医師の治療方針にしたがって速やかに治療に励む、これしかないように感じたことでした。

 長々とすみません。

No.15

Tacchin さま
こんにちは、お久しぶりです。コメントありがとうございます。

一時期体調を崩されていたとのことですが大丈夫でしたか?
病気以降、私も季節の変わるころに耳の調子が悪くなることが多いです。
特に冬から春への変わり目……そろそろ警戒態勢を取らないといけません。

耳鳴りって本当に不思議で、とっても苦痛に感じる時もあれば「鳴ってるなー」と上手くかわせる時もあるんですよね。
それを考えると、「慣れる」というのは一つの解決方法としては「アリ」なのかもしれません。
まだ歴史の浅い治療方法だからこれからどうなっていくかわからないけど、これから期待したいなと思っています。

余談ですが、私も「Eテレ」に 「E電かよ!」とツッコミを入れた一人です。
E電の案内表示は結構最近まで見かけましたよね、まだあるのかな。
独身時代、彼氏とデート中に「E電案内パネル見物ツアー」に連れ回されたのはいい思い出です。
(その彼氏は今の夫です……鉄道が好きみたいです。)

Eテレは名称はともかく、番組は最近面白いものが増えているような気がします。
「きょうの料理」から派生した「きょうの料理 ビギナーズ」なんかは、料理初心者向け番組だけど侮れないものがありますよ。

病気をしたせいか歳を取ったせいか、民放のテンションについて行くのがしんどくてNHKに頼りっぱなしになってきました(笑)

No.16

wakaba 様

 久しぶりのエントリですね。ご記憶でしょうか、昨年7月に突発性難聴やらかしたTacchinです。その後、聴力自体は完全に治りましたが、やはり耳鳴りが完全になくなったわけではありません。ただ、不思議なことに、それまで右耳の6kHz以上は中等度の難聴ということだったのですが、現在ではきれいに超高域まで伸びています。

 もっとも、一般に人間の可聴帯域は20~20,000Hzと言われていますが、実際には、他の音に混じり込む形で90kHz(90,000Hz)くらいまでは検知できるそうです。それに、楽器や人の声、その他自然界にあふれるさまざまな音は、いわゆる正弦波(サインカーブ)よりも、ぎざぎざの形の波が多く、これらは非常に高い周波数まで積分しないと再現できないそうで、どうも議論は絶えないようです。実際、私も300kHzまで出るトゥイーターとアンプを持っていますが、耳をくっつけても全然音の聞こえないトゥイーターをon/offすると、明らかに音色が変わるのに驚かされます。

 さて、つまらんオーディオ・オタク話はおいておいて、教育テレビ(なんでEテレなんて趣味の悪い通称を付けたんでしょうね。昔、国鉄民営化のとき、国電をE電と呼び替えて、誰も使わずに消えていったことを思い出します)で、そんな有益なことをやっていたのですね。

 たしかに言われてみれば、人間はさまざまな音に囲まれて生活しているわけで、逆にもし、完全に遮音した無響室に人間を入れておくと、作曲家などの特殊な仕事の人を除くと、たいていの人は30分ももたないそうです。

 実際、CDもノイズが非常に少なくて、実に-96dBしかない、と言われますが、あれは分解能の話で、現実のCDの「無音」部にもさまざまなノイズが入り込んでいます(これ、音響学の専門家で機械工学者の人が教えてくれた話です。つまり、もともときちんと区別しなければならない分解能――どこまで細かくできるか――と、現実の録音におけるノイズを故意にごちゃまぜにしてCDを売りたかっただけの話のようです。ついでにいうと、本来、もっと高い音まで聞こえるはずでは?、という専門家からの疑問もあったにもかかわらず、業界内部で話し合って、そんな学者や音楽家の意見は無視しよう、とCDを売り込んだそうですからひどい話です)。

 耳鳴りも、そんな自然界のノイズの一部と思えば、なるほど慣れることもできるんでしょうね。私も目を見開かされた思いです。考えてみれば、夢中になってスピーカーから流れる音楽に聴き入っているときは、耳鳴りのことを忘れてしまってますからね。

 ちなみに、私の治療後の副作用は割に軽かった方だとはいいますが、昨年夏は、文字通り「地獄」でした。自律神経から何から全部狂ってしまって、体調が極度に悪化、いったん秋には回復しましたが、また年末から体調を崩してしまってます。

 さすがにこれは副作用とは関係ないでしょう、とお医者さんに尋ねたら、いや、そうとも限らない、なにせあれだけの超大量投与だから、とのことでした。

 ムーンフェイスは出ませんでしたが、秋に入る頃はお腹の方が出っ張ってきて……なんとかごまかしましたが、これもなかなか見苦しいものです(苦笑)。

 お互い、少々面倒な持病を抱えた、ってことでボチボチやっていきましょう。

by Tacchin

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プロフィール

wakaba
29歳の春に突発性難聴と診断されました。
一時期は左耳がほとんど聞こえない状態でしたが、なんとか日常生活に支障のないレベルまで回復できました。
当時の治療の様子や、現在の症状などを中心に記録していきます。
発症してから十数年経ち、今は40代です。

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